長編連載

社会見学バスの話・03 佐野真彩

公園を出発して3時間。もうとっくに学校に戻っていてもおかしくない、どんなに遅くとも、もう高速道路からはおりていていい時間のはずだった。 バスの中程の窓際席に座る佐野真彩は、次第に落ちつかなくなりはじめた下腹部に手を添え、出来るだけ気を反らす...
長編連載

社会見学バスの話・02 木崎由梨

木崎由梨は、よく手入れの整った、プリーツスカートの下できゅっと閉じ合わせた膝を押し付け合いながら、いらいらと座席の手摺を叩いていた。(どうしてよ、なんで進まないのっ……!?) 整った顔立ちは焦りの色が濃く、細い眉は眉間に寄せられた皺できゅう...
長編連載

社会見学バスの話・01 井澤佳奈

一度やってみたかったシチュエーション。 ……影響を受けたり参考にさせて頂いた作品が多数あります。#2013/7/10追記 おもらし特区 イエローフィッシュ様作品 「帰りのバスの中で・・・・・」シリーズ おもらし特区 printfu様作品 「...
我慢

お嬢様我慢の話

御令嬢我慢のバリエーション。 街中を、曇り一つない黒い車体を輝かせ、高級そうな送迎車が行く。 ほとんどエンジン音も響かせない車内の後部座席には、一人の少女の姿があった。 冬の穏やかな日差しにも美しく輝く深い黒髪は、絹を紡いだように乱れなく、...
小説

四月を迎えたある日の話

4月に更新するつもりだった話。来年まで待つのもどうかと思うので。 春。 つい先日までは寒々しく枝ばかりだった表通りの桜並木も、今は美しく咲き誇り、舞い散る薄紅の花片の下、糊の効いた真新しい制服に身を包んだ生徒達は連れ立って駅へと歩いて行く。...
小説

河川敷の運動会・終

適当に書きはじめたらえらい大作になったけど、一旦これで終了。(でる、ッ、でる、でるうぅ!! っ、おしっこ、おしっこ出る、でちゃうぅ、おしっこ、おしっこおしっこ!! おしっこ出ちゃうぅううっ!!) 限界だった。 張り詰めた下腹部がきゅうんとう...
小説

河川敷の運動会・10

そして――再び、競技場であるグラウンドから、少し離れた河川敷へと目を向ければ、そこにもまた、およそ常軌を逸した光景が広がっていた。 グラウンドから歩いて5分ほどの、小さな茂み。 そこは背の高い草の生え揃ったコンクリートのたたき――覚えておい...
小説

河川敷の運動会・9

――根本的な女子トイレの絶対数の不足。 思春期の少女達への思慮の不足から発生した、仮設トイレを使えない、あるいは使うことを拒否した少女たちによる、事務棟横トイレの大行列。 処理能力を越えた仮設トイレの、度重なる故障。 それに伴って生じた、新...
小ネタ

中間テストの一コマ

お茶を濁す(色々な意味で)。(はやくっ、お、お手洗い、いきたいっ…!!) もじもじっ、くねくねっ テーブルを握り締め、椅子の上で激しく足を擦り合わせる六花。ぱんつに恥ずかしい色の染みが徐々に広がり始めている。言うことを聞かない乙女の水門を押...
小説

河川敷の運動会・8

河川敷のグラウンドにもたらされた絶対的な女子トイレの不足――それによる、強制的なオシッコ我慢。時間の経過とともにその傾向はますます加速し、もはやグラウンドにいる少女達の大半が、尿意を覚え始めている異常事態となっていたのだ。 分別のある大人の...