小説

イジメのお話。(full.ver)

「はぁっ、はぁっ……」 放課後のチャイムが鳴り響く夕暮れの校舎。午後5時の廊下を、高坂エリは足早に進む。 荒い息、赤い顔。上気した頬の上でメガネが揺れる。彼女の足取りはおぼつかないままで、その右手はおなかにぴったりと添えられている。小刻みに...
小説

ジョギングのお話。

「……っ、と、終わりーっ」 目標としているサイクリングロードの三周目。たん、と最後の一歩を刻んで、理沙は公園入り口の石畳の上に立った。ゆっくりと両足を曲げ伸ばし、整理運動を開始する。 田辺理沙。中学二年、14歳。 どことなく猫を思わせるショ...
小説

デパートを巡るお話。

「もう、早くしなさいっ」「あ、ま、待ってぇっ……」 舞子おばさんに手を引かれて、香苗は必死の声を上げる。 香苗の母よりも4歳年上の姉で、いまだ独身である舞子は少し潔癖症なところがあり、周囲にもそれを強制する事が多い。そのため、親戚一同を含め...
小説

プールを巡るお話。

燦々と日の照らすプールサイド。まだ少し肌寒い風は残るが、プール開きとしては絶好の日和である。けれどその中でたった一人、須崎未果は楽しげにはしゃぐ6年3組34人から離れ、ひとりプールサイドに座って体を小刻みに震わせていた。 調子が悪くて見学し...
小ネタ

B・B・クィーンズの記録

地下スレにて書き込まれた、BBクイーンズ=Bursting Bladder Queensという発想のネタをに触発されて書いたもの。 “B・B・クィーンズ” この国の芸能界の歴史を語る中で決して外せない存在として、その名前は燦然と光り輝いてい...
小ネタ

月壬月辰のススメ

永久我慢スレにて提案された、オシッコを我慢しておなかを膨らませ、まるで妊娠したかのように振舞うという、『月壬月辰』のネタに触発されて書いたもの。 苦しそうに優先席に腰掛けている女の子――まだ中学生くらいだろうか。 特徴的なサイドスリットのた...
小ネタ

トイレの自動販売機

薄暗く汚いイメージが先行している公衆トイレ(特に女性用)が犯罪の温床、風紀の乱れの原因になっているとして、公衆トイレの廃止とそれに代わる携帯トイレの開発を打ちだして20年。 昨今、環境問題と治安問題の解決を目的として発売された携帯トイレが世...
小ネタ

ガマーン教圏の旅

世界は広大である。 ところ変われば品変わり、私たちの常識ではまず思いもよらないような習慣というものが、外国にはある。 ガマーン教の教圏であるモ・ジ国、ソワ国には、二千年の昔からいまも続く断尿月という習慣がある。両国のような水の少ない砂漠地方...
小ネタ

コンビニでの懇願

「いらっしゃいませー」 ガラスの自動ドアが左右に開き、ひやりとした空気が流れ出してくる。店員の挨拶に訳もなく視線を反らしながら、佐奈はコンビニの入り口をくぐった。ヒクつく腰。たぷたぷと膀胱を満たすおしっこが、切羽詰った尿意を訴えて恥骨から背...
小ネタ

首都圏速報・5時のニュース(抜粋)

次のニュースです。 今日午後4時ごろ、○○県△△市■■商店街脇の路地で、女子児童が風紀軽犯罪防止条例違反の疑いで保護されました。 保護されたのは△△市立××中学校2年C組の前原ゆかりさん(13)で、今日午後4時10分ごろ、学校からの帰宅途中...