2008-06

小説

なかなかできない料理店

雲よりも高い山の上、険しい山道。 ひんやりと霧の深くたちこめた岩だらけの道を、ふたり連れの女の子が歩いていました。ふんわりとしたつややかな髪に、曇りのない目をした、整った顔立ちの女の子たちでした。透けるように白い肌や柔らかそうな手のひら、ふ...
小説

携帯を買う話。

従姉妹のお姉さんであるエリさんと、その話になったのは単なる偶然みたいなものだった。テレビのニュースで、最近の若者のマナーを問う内容が放送され、その中で往来での携帯端末を使うことの問題が取り上げられていた。 私がたまたま、携帯を持っていないこ...