2009-04

WetMarchen

第11夜 赤ずきん

「じゃあママ、行ってくるわね」 お気に入りの赤いフードつきのコートを羽織り、手には大きなバスケット。とんとんと靴のかかとを叩いて、赤ずきんは元気に言いました。「ええ、いってらっしゃい。森の中ではオオカミには気をつけるのよ」「平気よ、オオカミ...
小説

テストのお話・3

(ほーんと、ちゃんと全部飲んでるなんて、馬鹿ねぇサツキってば) 立ち尽くしていたところを教師に注意され、のろのろと自分の席に戻るサツキの背中を見ながら、チエリはほくそ笑む。 あんなにごくごく飲んだら、あっというまにおなかの中はたぷたぷだろう...
小説

テストのお話・2

しんと静かな教室に響くのは、シャーペンが跳ねる音。消しゴムが踊る音、熱の篭った溜息、がりがりと頭を掻く音、かつかつと答案用紙を叩くペン尻の音。 期末試験最難関と噂される3日目の一時限目、その敵陣の先鋒となった現国のテストは、常よりもさらに増...
小説

テストのお話・1

時計の針は8時14分。いつもと変わらぬクラスメイトが集う教室は、まもなく始まる朝のホームルームを前に、いつにないざわめきをみせていた。 いつも時間ぎりぎりまで練習をしているソフトボール部も、遅刻常習犯の最前列の生徒たちも。普段なら見ない顔ぶ...
小ネタ

謎の競技の話。

最初は女の子たちが謎の状況でくじ引きでトイレの順番待ちをしてるってだけの妙なシチュエーションを書くだけの予定が,だんだん変な方向に。 そこは大きな、まるで体育館のような部屋だった。 屋外ではないことは、空を覆う天井と、小さな窓から夜空が覗い...