2009-05

小説

ビアホール?のお話

某特区の「今日の○○」の“おかわりのジョッキ3杯ぐらいならもう溜まってる”というフレーズに触発されて書いたもの。「ねー、もうこっち空っぽだよー、はやく追加おねがーい」 空になったジョッキを掲げて、8番テーブルから声が上がる。とはいえそれに答...
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テストのお話・6

『――以上で リスニングの 問題の 放送を 終わります』 ぷつ、と切れるスピーカー。 それと同時に、サツキは震える手を上げていた。オシッコに濡れた手のひらは、スカートにぐりぐりとねじつけて拭いている。 『おんなのこ』を覆うじゅぅんと湿った下...
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テストのお話・5

答案用紙が配られ、チャイムと共に一斉に問題用紙をめくる音が響く。クラスメイトたちが悩みながら解答欄を埋めてゆく中、サツキはひとり、問題用紙を伏せたままだった。 やや前傾になった上半身は机の上にかぶさり、放り出されたままのシャープペンシルと消...
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テストのお話・4

無常にも時計の針は、それまでと変わらない速度で進み、淡々と時刻を刻む。 2時間目の試験終了を告げるチャイムが鳴り響き、監督の教師が重々しく宣言すると、クラスの何人かから大きな溜息や悲鳴が上がった。 予想よりも問題は難しく、最後まできちんと問...