2009-07

小説

買い物帰りの話。

賑やかな大通りから一本、道を入ると、たちまち喧騒は遠ざかってゆく。 植え込みと赤レンガで舗装された歩道は途切れ、真新しいアスファルトが規則正しく碁盤目のように続く清潔な佇まいの一角は、まだ開発の続く新興の住宅地だ。 昨今の不景気で開発が遅れ...
小説

プールと水着の話。

梅雨明けの青空、燦々と降り注ぐ陽射しをいっぱいに浴びて、賑やかな声が揺れる水面に響き、歓声とともに水飛沫が上がる。夏休みを目前にして最後のプールの授業は、2時間続きの大盤振る舞いとなっていた。 騒がしいクラスメイトたちの笑顔につられて、残念...