2009-09

小説

エレベーターの話。

楽しかった夏休みもあっという間に過ぎた。陽射しはまだまだ熱いものの、ヒグラシの鳴き声が増えはじめた9月のある日。デパートの買出しを終えたユミは、大きなエコバッグを肩に下げてマンションへの帰途についていた。「ふー、重かったぁ。ちょっと買いすぎ...