2011-06

小説

河川敷の運動会・2

(やっぱり、こっちの方にはないのかなぁ……) 梅雨の合間に覗く青空の下。河川敷沿いの歩道の外れで、小上孝乃は途方に暮れていた。 肩までの髪を短くまとめ、足元はソックスに履き慣れたスニーカー。袖には所属チームを示す水色のリボン。 学校指定のス...
小説

河川敷の運動会・1

「いけー!! 負けるなーっ!!」「頑張れ、真琴ーーーっ!!」 河川敷の市営グラウンドが、応援と歓声に沸く。 心配されていた雨も前日午後には止み、梅雨の貴重な晴間となった6月第二週の日曜日。毎年恒例の町内会対抗運動会は、直前の会場変更をものと...