2011-09

小説

小公女サラ【メイド見習い編】

ある趣味@JBBSの往年の名スレよりネタを拝借。「ほら、なにをぐずぐずしてるんだい!! 急ぎな!!」「は、はいっ」 イルマに急かされ、サラは継ぎ接ぎだらけの古びた使用人服に着替えさせられ、厨房へと連れてこられました。 そう、今日からサラは使...
小説

仙人見習いのお話。

穏やかに陽気の満ちる、深い深い山の奥。どうどうと流れ落ちる滝の傍、見上げるほどの岩の上に、その娘は腰を下ろしておりました。 短く肩上で揃えた髪には、緑蔦を編み、貝殻を削った止め具を挟んで飾り、纏う服は仕上げも見事に鮮やかな紅の飾り絹糸で綴ら...
小説

両手に大荷物の話。

雨上がりの繁華街は、週末ということもあって人通りで混み合っていた。晩夏の空は相変わらず分厚い雲に覆われており、気温と共に湿度も上昇の一途を辿るばかり。 またいつ崩れ出すとも分からない天候を気にして、道行く人々の足取りも忙しない。「んっ、……...