2011-11

小説

校外学習のバスの話

梅雨の晴れ間の空は、見事なほどに雲ひとつなく晴れ渡っていた。 待ちに待った校外学習の日。5年4組の27人を乗せたバスは、県境近くにあるパン工場を目指して走る。 身近な産業に触れ、体験することで見聞を広め広い視野を養う――そんな名目もどこへや...