小説 河川敷の運動会・5 仮設男子トイレと女子トイレの間――順番待ちの行列でごった返す周囲の中に、奇妙な空隙が出来上がっていた。 人目を憚らずに体操服の上着を引き下ろし、あるいは手のひらで張り詰めた下腹部を撫でさすりながら、小さく下半身を左右に揺り動かす。少女達の我... 2012.01.02 小説
小説 河川敷の運動会・4 梅雨晴れの空に花火が鳴り響く。 開会から2時間ほどが過ぎ、河川敷の市営グラウンドには、続々と人々が詰め掛けていた。東西に築かれた紅白の入退場門にはジャージや体操服姿の少年少女達の姿が多く見られる。「がんばってね、二人とも」「うん。応援してる... 2012.01.02 小説