長編連載 社会見学バスの話・43 花藤涼子その3 「そこのキミ、これを早く持ってって!!」「せ、先生!!」 異状事態にようやく我に返り、運転手が声を上げる。指示を受けた前部座席の少女が、運転席のすぐ近くにあったポリ製のバケツを掴み、バスの中を走った。 不安定な足場の中、彼女は蓉子のすぐ後... 2013.07.31 長編連載
長編連載 社会見学バスの話・42 花藤涼子その2 「っぁ、やだぁ、やだぁあっ!! せ、せんせぇ、ぃ、うぁっ、いっ、イジワル、しない…でぇっ!! と、トイレ、っ、おトイレしたいの、お外でいいからおトイレするのぉっ!! も、もれっ、漏れちゃうから、ぉ、オモラシしちゃうからぁあっ……!!」 子供... 2013.07.30 長編連載
長編連載 社会見学バスの話・41 花藤涼子 「あっ、ぅ、はぁ、もっ、もぅ、もぉ、っんぁあ、くぅ、ダっ、ダメッ、駄目っ、駄目ええぇぇええええぇぇっ!!!!」 白い喉を震わせて響くソプラノの叫び。 バスの後部通路、座席背もたれから伸びる手摺にしがみつくように、がくがくと腰を震わせて立ち上... 2013.07.29 長編連載
長編連載 社会見学バスの話・40 崩壊の引き金 びっしりと車線を埋め尽くす渋滞の列をかなり強引に横切って、社会見学2年A組のバスはサービエスエリアへの分岐へと差し掛かる。 恥ずかしい尿意に下腹部をぱんぱんに膨らませ、もはや一刻の猶予もない28人の少女達を乗せ、バスは精一杯の速度で、4時間... 2013.07.28 長編連載
長編連載 社会見学バスの話・39 長谷川陽菜その2 バスが出発してから一度もトイレに行くことができず、出したいオシッコを堪え続ける2年A組。たった一人。 車内に乗り合わせたクラス担任の清水蓉子を含むクラス28人プラス1人、全員が同じ共通項で括られるなか、一人だけその例外がいる。 彼女はきつく... 2013.07.27 長編連載
長編連載 社会見学バスの話・38 都築朝香その2 朝香はその時、汗ばんで脚に絡みつく下着を膝下まで下ろし、座席シートの上に浅く腰かけ、腰を突き出して、スカートをおヘソの上まで捲り上げていた。 下半身は肌もあらわ、女の子の大事なところを露出させ、硬く握り締めたペットボトルの小さな飲み口を、オ... 2013.07.26 長編連載
長編連載 社会見学バスの話・37 動く密室ダム/都築朝香 喜色満面の笑みでバスの行く先を見つめるクラス担任以下、限界を越えたオシッコ我慢を強いられる28人の少女達を乗せ、2-Aの社会見学バスは高速道路の渋滞をゆっくりと進みながら、サービスエリアへの降車口へと進路を向ける。 蓉子が歓びの中サービスエ... 2013.07.25 長編連載
長編連載 社会見学バスの話・36 トイレに向かって進路を取れ! カーテンに仕切られた薄暗い車内に、オシッコの匂いが立ち込める。既に限界を迎えつつある28人の生徒達のおチビりによるものだ。 バスの中には倦怠と疲労、そして何よりも絶望が満ちていた。 恥ずかしさを堪え、バスの陰の臨時の野外トイレを使ってオシッ... 2013.07.24 長編連載
長編連載 社会見学バスの話・35 清水蓉子その5 「ええ、はいっ、そうです……もう皆、だいぶ疲れてる様子で……ほかの組の子もそうですよね? 休ませてあげたいと思いますっ、ええっ、い、いいですよね? いいですよね!?」 汗ばむ手で携帯電話を握り締め――蓉子は電話口に叫んでいた。 そう、汗だ。... 2013.07.23 長編連載
長編連載 社会見学バスの話・34 佐野真彩その4 真彩は窮地に陥っていた。太腿の内側に重ねた手のひらをぎゅっと押しあて、前屈みになった姿勢で激しく膝を擦り合わせる。 じりじりとせり上がり、水位を増した尿意が全く収まらないのだ。さっきまでは大津波とはいえ、断続的な高低差を持った『波』だった尿... 2013.07.22 長編連載