続・部活イジメのお話

 部活のイジメの話 (http://shizuku44.blog114.fc2.com/blog-entry-107.html)の続編。


「おねがいっ、ほどいて、コレほどいてよぉっ! でっ、出ちゃうの、もう……ほっ本当に、がまん、できなっ…はぁああっ…お、オシッコ! オシッコさせてえ!!」
 無理やり開かされたマキの両脚の付け根が、椅子の上を跳ねる。両足の膝と踝をガムテープで固定され、さらに両手も椅子の背板の後ろ。
 自由になる部分と言えば口だけで、だからマキは惨めに哀れに、もはや我慢が限界であることを叫ぶしかない。
「えー、そんなこと言っちゃっていいんですか部長? みーんな見てますよお?」
 からかうように部員の声が飛ぶ。みっともなく取り乱す部長の姿に、また部室の中に笑い声が広がってゆく。
 部員の中に、誰ひとり、マキを助けようという者はいない。
 もはや県大会準優勝の功績も、部長としての尊厳も奪われて、マキは無防備に広げさせられた股間を震わせ、猛烈な尿意を懸命に堪えるばかり。
 トイレ、オシッコ、とはしたない言葉を繰り返し、哀れに声を上げる少女の苦悶と喘ぎが響く。
(オモラシは、オモラシだけは嫌……っ)
 追い詰められた思考は、マキの頭の中から他のまともな選択肢を奪い去ってゆく。
「おねがい、お願いしますっ、オシッコさせてください……っ!! もうっもうホントに、本当にダメなのぉ!!」
 こんな卑屈な態度、マキは今まで誰にも見せたことがない。
 オシッコ、トイレ、漏れちゃう。迫る崩壊の時から少女のプライドを守るための必死の訴え。
 けれど恥を忍んでの懸命の懇願も、部員たちは冷笑して返すばかりだ。
「部長~、さっきからそればっかりじゃないですかー。やだな、10分前ももうダメぇ~限界ぃ~って騒いでたのに、アレ嘘だったんですか?」
「そうそう、やればできるって。マキちゃんいつも言ってるよねぇ? ……あと3時間半だっけ?」
 告げられる解放までの『残り時間』は、絶望的なまでに遠い。下腹部に押し寄せる尿意の波は刻々と高まり、既にマキの乙女の水門は緩み始めていた。大きく広げられたままの脚では通常の我慢すら難しい。
 猛烈な尿意の波に抵抗しようと力を込めるたび、下半身をぴったりと包み込むスパッツの布地がたわみ、皺を寄せる。
 紺色のスパッツの股間の合わせ目部分は薄く色を変え、いまなおじわじわと染みを広げおり、彼女の限界が間近なのは誰の目にも明らかであった。
 濡れてぴったりと肌にはり付く布地は、吸水性に優れた性質をいかんなく発揮して、布一枚に隔てられた真紀の股間をくっきりと浮かび上がらせている。少女の水門がいまにも内側の水圧に屈しそうになり、ひくひくっ、きゅうっ、とひっきりなしに伸び縮みを繰り返している様子まで丸見えであった。
「だっだめッ、ダメぇ、でっ、出ちゃうっ!! 出ちゃうぅッ~~……ッ!!」
 ひくひくひくっ、きゅうううぅんっ、ぷくっ、ぷくんっ。
 大股開きにされたマキの股間、スパッツの合わせ目が大きくうねる。括約筋にありったけの力を込め、女の子の水門を閉ざそうとする少女の健気な努力が丸見えだ。
「ぁ、っあ、あぁあッ」
 がくがくと身体を揺らすマキ。それに合わせて、彼女に縛りつけられた椅子の足ががたがた床の上を跳ねて、ボルトを軋ませる。
 きつく歯を噛み締め、懸命に最後の瞬間を先延ばしにするマキ。しかし部員たちの視線は冷ややかだ。
「ちょっとお部長、ウルサイいっすよぉ」
「ホントだよね。さっきから出ちゃう出ちゃうってそればっか。何度も言ってるじゃない。マキちゃん? ちゃんとオシッコは『トイレ』でってさ」
 マキの足元には、彼女達が言う『トイレ』が用意されている。
 昨年の大会、部創設以来の快挙となった表彰台の上で受け取った、銀色の準優勝カップ。
ちょうど、大股開きで脚を椅子に縛りつけられたマキの股間の真下。耐えきれなくなった羞恥のほとばしりをしっかり受け止められるよう絶妙に計算された位置に、銀色のカップは配置されていた。
 『マキちゃんのオシッコトイレ』と、無造作にマジックで大書きされたコピー用紙が糊で貼り付けられて。
「くぅ……ウゥウウ……っは、は、ぁ、はあはあっ、あっ、あ、ダメ、ああっあっだめえ、出ちゃう、出るっ、オシッコでちゃううう……!!」
 自らの努力の結晶、長い労苦の果てにつかみとった栄光を踏み躙られる屈辱にも、しかしもはやマキは拘泥する余裕を持たなかった。
 強力な利尿作用を持つ健康茶は、いよいよその本性を剥き出しにして、猛烈な勢いで少女の全身を駆け巡り、老廃物を残らず濾しとってマキの下腹部へと流れ込みつつあった。
 直接排泄器官を攻め嬲るようなすさまじい尿意は、腹部に鈍い痛みすら伴うほどで、マキの思考を根こそぎ奪い去ってゆく。
 きらきらと輝く銀色のカップ――血のにじむような努力で勝ち取った栄光。それを、漏れる寸前のオシッコを受け止めるトイレがわりにする――そんな選択、絶対にありえないはずなのに。
「ぁぁ、あっあ、あダメ、お、お願い、出ちゃう、もう漏れちゃう!! なんでもいいから、これ、ほどいてぇ!!」
「っ、ぬ、脱げな、っ、ふ、服、汚しちゃうッ……!! っも、もう、っ、な、なんでもいいから、どこだっていいからあ!! ちゃっ、ちゃんとオシッコさせてえ…!!」
 まるで、羨望のように。椅子の下に置かれた銀の準優勝カップを見つめてマキは声を絞り出す。
 『マキちゃんのオシッコトイレ』――血の滲むような努力の果てに勝ち取った栄光のトロフィーは、羞恥と屈辱で沸騰しきった思考の中、いまやマキにとって排泄のための容器にしか見えていないのだ。
 銀のカップにまたがり、このままここでオシッコをすることを、少女は心から切望していた。
「こ、これっ、ほどいて、ほどいてよ!! 早くぅ…!! ふ、服、汚しちゃう…!! こ、このままじゃ、ぬげな、ぃ、オシッコできないからぁっ……!! はやく、はやくぅうう!!」
 ひくん、きゅううぅんっ、ぷしゅっ。しゅるるるっ……
 恥ずかしい水音を響かせながらのマキの懇願に、部員たちは顔を見合わせた。
「……うわ…マジ?」
「ちょっと引いたかも……ありえなくない?」
「捨ててるよねー、いろいろ」
 氷点下の視線で、軽蔑の眼差しが注がれているのも気付かずに。このまま、ここでオシッコをする気満々で、準備まで始めた部長を見て、部員達はますます冷ややかな態度を強めていく――。
「はっ、はや、はやくっはやくうぅ…!!」
「煩いなあ…はい、ほどいたよ? これでいいんでしょ」
「…ッ、は、ぅ、ふ、ぁあああああッ……♪」
 背中でかがみ込んだ部員が、面倒そうに告げる。腕を固定していたロープが床に落ちるや否や、マキはスパッツの股間を思い切り握りしめていた。
 椅子の足ががりがりと床の上を滑る。すっかり色を変えた紺色の体操服が、押さえこんだ手のひらの下でじゅうっと湿り気を滲ませた。しゅるしゅると細く開いた水門から熱い滴を洩らし続ける股間を懸命に握り締め、マキは激しく身悶えする。
「ぁ、あっああ、あっあ、だめ、出る、でるう…ッ!! ぁっあ、だめ、出ちゃう、漏れ、ちゃ、ぅ、っ、は、っはやく、はやく、こっちも解いてよぉ…ッ!!」
 左手こそ解放されたが、もう一方の手を縛めるロープは依然健在だ。せっかく自由になった手も、いまは猛烈な尿意に苦しむ股間へと押しあてられ、女の子の我慢の応援で塞がってしまう。
「だって、どこまでとか言ってないじゃん。片っぽ解けてるんだからもう勝手にしてよ。マキちゃんの面倒見てる暇ないの、私達」
 軽蔑を込めた視線がマキに突き刺さる。部室のの片隅でみっともなく尿意を叫び続け、マキに対する部員たちの信頼は完全に失われていた。
「くぁあぅ……ッッ」
 マキはわずかなロープの隙間を使い椅子の天板に股間を擦りつけ、身体を伸び縮みさせて尿意を堪える。左手は脚の付け根をぎゅうっと覆い、揉みしだくように動いて少しでも水門の負担を和らげようとしていた。女の子がおしっこを我慢するための、ほとんど本能的な動作だ。
 片手だけ自由になったところで、椅子の上から立つこともできないし、足と腰を縛り付けた結び目は椅子の背中側だ。
 せめて両手が自由ならばまた話は違っていたかもしれないが――限界の尿意を堪えたまま慎重に指先を使う作業なんかできるはずもない。左手はそれ以外のことにかかりきりなのだ。
「ぁあ、あぁっぁ……っ」
 歯を食いしばり唇を噛んで、喘ぎをこぼすぼやけるマキの視界に、銀色のカップが映る。地面に飛び散らんとしている恥ずかしい噴水を、受け止めてくれる容器、入れ物。
 『マキちゃんのおシッコトイレ』。無造作に張りつけられたラベルが、少女の羞恥を猛烈にくすぐる。
(だ、だめ、もうダメ、我慢できない…ッ)
 暴れ出した下腹部に満杯の恥水を堪えるため、マキはギュウッとスパッツの上から股間を押さえつけた。がたがたと椅子を揺らし、腰を振りたてるようにして耐える。
 すでに何度も先走りをチビらせた股間の布地は、言い訳の聞かないほどに湿っている。
 もしも、マキの着ているものが、今や漫画にしか出てこないような前時代的な体操服――いわゆるブルマーであれば、股間を覆う股布の所に指をひっかけて真横にずらし、そのまま放水するという、女の子の窮地の緊急避難、せめてもの建前だけでも、排泄の準備を整えることが可能だったかもしれない。
 だが、腰から膝上までをぴったりとカバーするスパッツでは、もはやどうすることもかなわなかった。どうあっても避けようのない悲劇――苦痛すら伴う限界我慢からのオモラシ。
 それを回避せんとマキの身体は本能的に動いていた。
 恥ずかしいオシッコを、床に撒き散らすことだけは、避けようと。
「、ぁああ、だっだ、だっ、だめええ、待って、待って、まだ駄目……!!」
 脚の付け根をヒクつかせ、全力をもって水門を閉ざす活躍筋に力を篭める。マキは、股間を押さえていた手を離した。
 紺色の布地の奥からは緩んだ水門を震わせ、じゅじゅじゅじゅぶぶぶと猛烈な熱い水流が噴出し始める。
 オシッコまみれの手を伸ばして、マキは床に置かれた銀色のカップを掴み取り、それを大きく開いて固定された脚の付け根へと押しつけた。
「はぁああああ……ッ」
 『マキちゃんのオシッコトイレ』。そう書かれた、県大会準優勝のカップの中めがけ、羞恥の噴水が解き放たれる。
 布地が引っ張られて肌に密着し、股間パッドの位置もずれていたため、ほとんど遮るものもなく、マキのおしっこは布地一枚をそのまま通り抜け、激しい水流となって噴き上がる。
 ぶじゅじゅじゅうじゅっじゅ!! ぶじょじょぼぼぼぼぼぼぅ!!
 銀色に輝くカップの中に、はしたない水音が響いた。
「はぁあああああ……ッ」
 陶酔にも似た、天にも昇らんばかりの甘い喘ぎ声。
 緩む唇、うっとりとした表情。股間を突き抜ける解放感にマキの心が躍る。絶妙な角度で――本人にはそんな意図はなかったかもしれないが、股間から吹き上がる水流はほとんど外にこぼれずカップの中に注ぎ込まれていく。
「うっわぁ、本当に出しちゃってる……」
「ここどこだか分かってるのかしら……?」
「ねえねえ、誰か写真、証拠撮っといてよ。ほら、はやくっ」
 クラスメイトの視線を余所に、凄まじい勢いで噴き上がる水流は、カップの中へ激しく叩きつけられ、じょぼじょぼぼぼと泡立ちながらその水位を増す。
 銀色のカップを満たす、羞恥の熱湯、黄金色の液体はみるみるカップの縁までせり上がってくる。地方大会の準優勝ということで、片手で持つには少々重いほどの大きなカップだったが、健康茶の利尿作用で我慢を続けていたマキが溜めこんだ熱水がこんな小さなカップで収まりきるわけがない。
 ぶじゅじゅじゅぶじゅうううううじゅぼぼぼじゅごおおおおぉお……!!
「はぁああああん……っ♪」
(オシッコ……出てる、…おしっこ…気持ちイイ……っ)
 我慢に我慢を重ねたマキの並々ならぬ規模もものだった。スパッツを貫通してカップの中に叩きつけられる恥ずかしいオシッコは泡立ちながら銀色のカップを満杯にして、縁ぎりぎりまで盛り上がってきた。
 その上でなお、マキのオシッコはまるで終わる気配を見せなかった。許容量を超えて注ぎ込まれた恥水はあっさりとカップの縁を乗りこえて、じょばじょばと床に溢れだす。銀のカップを満たすマキの羞恥の噴水は、まるでシャンパングラスのよう。
「ちょっと…なにやってんの!! どんだけ出せば気が済むの?」
「うわー……オモラシとか、信じらんない……っ」
 部員達が声を上げて距離を取る。
 そんな彼女たちの姿すら、もうマキには届かない。恥骨を震わせる途方もない解放感とともに、ただただ下半身から噴き出す羞恥の熱湯に身をゆだね、足元のカップへと注ぎ込むことに夢中になっていた。
 下品な欲望を優先し、自分の栄光すら台無しにして。噴き出す黄色い羞恥が、銀色の栄光を染めていく。
 部長の肩書を失い、その権威も尊敬も地に落ちて。ただ、恥ずかしいオモラシ少女となったマキのオシッコは、銀色のカップから溢れ落ち、床一面に水たまりとなって広がりつづけた。
 (初出:シズクのおとツイート 加筆再録)

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