2017-01

小説

トリシア様のお粗相について

いまよりも、少し昔の事でございます。 その頃、アトラテアのシャルナーズ方伯のご令嬢トリシアさまと言えば、幼いながらその類稀な美貌と、それ以上に生来の気の強さ――たとえお父様であるシャルナーズ伯が相手とあっても、己が正しいと思えば物怖じせずそ...
小ネタ

解禁日のお話

季節ネタ。しかもダジャレ。 石造りのワインセラーは、11月半ばの季節にあってもなおひんやりと肌寒い。 普段は人の立ち入りを制限されている一角に、この日ばかりはざわめきが満ちる。まもなく訪れる『解禁日』を前に集まった人々の中、壁の真新しいデジ...