ある趣味@JBBSの往年の名スレを元にした話。
「どうして……? どうして開かないの……!?」
困惑と共に、サラは何度もドアの取っ手に手をかけ、全身の力を込めて押し開こうとする。
しかし、来賓室の重い樫のドアはびくともせず、無情にも硬い手ごたえを返すばかり。なおも数分にわたってドアと格闘していたサラだが、外から施錠された両開きのドアにはわずかな隙間すら作ることはできなかった。
「……そんな…ぁ…っ」
小さな手のひらが力無くドアを叩く。
来賓室の出入り口はこのドア一つ。予備の鍵も持たずに閉じ込められたサラが、中から開けることは適わないのだ。絶望に打ちひしがれたサラの腰が、ぶるると震える。
「あっ……っ」
切なく足をもじつかせ、爪先立ちになりながら。サラは使用人の証である古びたエプロンの上から、スカートの前を握り締めてしまう。
先程から感じていた尿意はますます激しくなっていた。ようやくクリスから解放され、大急ぎでトイレに向かおうとしていたところをイルマに見つかって、この来賓室の掃除を押し付けられたのだ。とっくに済ませているはずだったオシッコが、いまやサラの下腹部をぱんぱんに膨らませている。
「はぅ……あ、ぅっ」
小さな唇がきゅうっと引き結ばれる。きつく目を閉じ、サラは押し寄せる尿意の波を堪えていた。握り締めたエプロンには皺が寄り、ドアに倒れ込むように前屈みになって、突き出された可愛いお尻が左右に揺れる。
(だめよ、だめっ、だめよサラ……っ)
自分に言い聞かせるように、サラは激しい下半身の生理的欲求に抗う。
幸いにして、室内には他の人目は無い。脚の付け根に手のひらを押し当て、くねくねと腿をすり合わせる――少女として見せてはならない姿を晒しながら、サラは懸命に息を詰める。
「っ、あ、は、っ、はぁ……っ」
立て続けの波を乗り越えて、どうにかわずかな余裕を取り戻したサラは、わずかに息を緩めてドアにもたれかかった。手はじっとりと汗で湿り、背中にもじわりと嫌な汗が浮いている。
懸命の我慢でわずかに引いた尿意は、しかしなおさざ波のように少女の下腹部に燻って、またいつ膨らんでもおかしくない状況だった。硬く張りつめた下腹部をさすり、サラは恐る恐る後ろを振り返る。
「……ど、どうしよう……っ」
切に排泄を訴えている下半身はすでに、恥ずかしい熱水をはちきれんばかりに膨らませ、乙女のダムは決壊へのカウントダウンを始めている。
しかし無論ながら、来賓室の中には、用を足せるような場所などあるはずもない。閉ざされたドアの他には嵌め殺しの窓が並び、わずかな通気口を除けば他に出口は見当たらない。恥を忍んで何度も大声をあげても、いっこうに誰かが駆け付ける様子もなかった。
こんなところで催してしまうなんて、最悪の事態だった。サラは緊張に小さく喉を鳴らし、口の中の唾を飲み込む。
「っ……」
伝統と格式を重んじるコーネリア女学院の来賓室は、それに相応しい調度と装飾を揃えられている。リベア杉のテーブルに、虹織りのソファ。壁にはカラトゥアの壺や前カザユ時代の名画も並び、床にはパリジャの絨毯が余すところなく敷き詰められている。
リタニアのお屋敷にいた頃ならいざ知らず、今のサラのお給金では一生かかっても買うことができるかどうかも分からない。
もしこんなところで粗相をしてしまおうもうのなら――どうなるのかは火を見るよりも明らかだ。恐ろしい想像に、サラは背筋を震わせる。
(お、お手洗い……っ)
今、一番欲しいもの、一番したい事を心の中にくっきりと思い浮かべ、サラはもじもじと腰を揺する。朝食で口にしたわずかなスープとミルクも、いまやすべて恥ずかしい熱水へと変わり、溜まりに溜まった少女のダムを内側から押し上げて、サラを苦しめている。
(あ、あっ、あ、だめ、……っ!!)
できない、とはっきり分かった途端、むずがる用にサラの下腹部が尿意を湧き起こさせる。腰骨から恥骨の間、太腿の奥へとじいんと伝播するイケナイ感覚に、サラはたまらずエプロンの前を両手で押さえこんだ。
「あぁんんっ……っ……」
思わずはしたない声が漏れてしまう。膝ががくがくと震え、不格好に突き出されたお尻が左右にくねる。ぎゅうっと前屈みになって脚の付け根を押さえこみ、ふらふらと足踏みをする、みっともない我慢のダンスを披露してしまい、サラの頬は羞恥に染まる。
閉じ合わせた太腿の奥、じわっ、と膨らむ熱い感触に、サラは歯を食いしばって耐えた。
「あ、あっ、あ、だめ、だめぇ……っ……」
押し寄せる圧倒的な尿意の波に、いまにもダムが突き崩されてしまいそうだった。
限界を超えて噴き出した恥辱の噴水が下着を台無しにし、一着きりしかない使用人服をびちゃびちゃと黄色に汚し、足にびったりと貼りつかせて、匂い立つ湯気の立ち上る水たまりを足元に撒き散らす様を想像し、サラは必死にそれを避けようと抗う。
は、は、と息を荒く吐きながら、サラの視線は当て所もなく来賓室の中をさまよう。
求めるものがそこには無いと分かっていても。何かに救いを求めずにはいられなかったのだ。
そして――少女のハシバミ色の瞳は、テーブルの上に残された、紅茶のティーセットへと吸い寄せられるように向けられていった。
「ぁ……ぁっ」
ついさっきまで、マチルダ先生とお話をしていた大事なお客様が使っていたものだ。イルマに言いつけられ、いちばん上等な紅茶を用意してここに運んだのもサラだった。その後片付けを命じられて、サラはここに閉じ込められてしまったのだが――
テーブルの上に無造作に置かれた、二つのティーカップと、ティーポットをまじまじと見つめ、思わず小さく喉まで鳴らしてしまい、サラはようやく我に返った。
(……や、やだ……っ、わ、私、何を考えて……ッ)
かあっと少女の頬が赤くなる。
あり得ないことだった。曲がりなりにもリタニアの公女が――いや、たとえそんな地位など無くても、女の子がそんな事をしていいはずがない。
しかし。サラはテーブルの上から視線を反らすことはできなかった。
そう。あの、あのカップ。あの中に、今自分を苦しめている、恥ずかしい液体を出してしまえば、少しは……少なくとも、ティーカップの分だけは楽になれるのではないだろうか。
あまりにもはしたなく、みっともない――もはや言葉では言い表せないほど下劣な行為は、しかし今のサラには抗いがたい誘惑だった。閉じ込められた密室の中、なおも高まり続ける尿意はとどまるところを知らず、両手で押さえこんだ脚の付け根、乙女のダムには危険水位を遥かに超えて、恥ずかしい液体が溢れそうになっているのだ。
立て続けに襲いかかってくる下品な欲求に耐えかねて、サラの“おんなのこ”は悲鳴を上げる。これ以上自分がどれだけ耐えていられるか、全く想像できなかった。
「っ……」
困惑と羞恥と、複雑な感情に、少女の整った顔立ちが歪む。
下品な衝動に突き動かされるように、おぼつかないサラの脚はテーブルの傍に吸い寄せられていく。
(だめよ、だめ……何を考えているのサラ……!! そ、そんなの、ダメに決まっているじゃないっ……!!)
必死に自分に言い聞かせようとする理性は、しかし、より深い本能の手綱を握ることはできなかった。使用済みのティーカップはまるで、サラに自分を手に取れと訴えかけているようにすら感じられる。
ついに、脚の付け根を押さえこんでいた手の片方を離し、サラの伸ばした指先が、白磁のカップの持ち手に触れる。
まだカップのそこに残るわずかな紅茶の雫から、ほんのりと香る茶葉の名残が鼻をかすめた。昔、リタニアのお屋敷にいた頃にも味わった、上等な紅茶の香り――そんな大事なお客様に出した食器に、いったいいま自分は『なに』をしようとしているのか。
それを改めてはっきりと意識してしまい、サラは耳先までを羞恥に赤く染める。
「っ…………」
しかし、突き上げるように激しい衝動はさらに荒れ狂い、サラの残り少ない理性と余裕を奪ってゆく。少女の意志を無視して波打ち、ずきん、ずきんと脈動する、はちきれんばかりの尿意を湛えた下腹部が、解放の予兆を感じ取って歓喜に打ち震える。
(……やだ……ぁっ……)
こんな行為にすら悦びを覚えてしまう自分の身体に、サラは戦慄いた。
少女の心を捕えて離さない誘惑――。この空のティーカップに、オシッコを済ませてしまいたい、というあまりにも非常識な想像にすら、サラの下半身は歓喜の声を上げているのだ。
空のカップを手にしただけで乙女のダムの水門はぷくりと膨らみ、排泄の準備を整えようと、ぴくぴくと緩み始めそうになっていた。
「あ……ッ」
自身の意思を無視して、勢いよく噴水のように熱い水流を迸らせそうになった恥ずかしい女の子の出口を懸命に締め付けて、サラは激しく身悶えする。
(だ、だめ、だめよ……だめなのっ……)
否定を繰り返す思考とは逆に、手のひらは白磁のティーカップから離れようとしない。
この小さな器を、露わにした乙女の秘密の出口へと、思い切り押し当ててしまいたい――その抗いがたい誘惑が、サラの心の奥底にまで深く染み入ってゆく。
はちきれんばかりに膨らんだ下腹部の液体が、勢いよく排泄孔から噴き出し、カップの底にはしたない音を響かせて叩き付けられる――それはいったいどれほどの解放感を与えてくれるだろう? 我慢に我慢を続けた末、もはや限界まで伸び、膨らみきった下腹部は、ずきずきと鈍い痛みすら覚えるほどに限界が迫っている。
押さえこんだ手の下、切に苦痛からの解放を訴える下腹部をもう一度、サラはエプロンの上から撫でさすった。
まるで石のように硬い手ごたえが返ってくる。
「ぁあっ……」
それと同時、甘く切なくむず痒い痺れが、下腹部のいちばん底にまで走り、サラは下半身を激しくモジつかせた。いまやいつ崩壊を迎えてもおかしくないほどに、我慢は限界を迎えている。
サラは再度、手のなかの小さなカップにすがるような視線を向ける。
こんな小さなティーカップではとても、乙女の秘密のダムいっぱいに沸き立つ恥ずかしいホットレモンティの全てを注ぎ移すことは叶わないだろう。
だがそれでも、たとえそんな、ほんの小さなカップ一杯分でも、この苦痛が和らぐのなら。
(……ぜ、ぜんぶ、空っぽにできなくても……ちょっとだけでも、楽になるかも……っ)
イケナイ想像をやめられない公女の身体は、ひくんひくんと蠢いて。
秘密の出口を締め付け続ける括約筋は、一刻もはやく下腹部をたぷたぷと満たす熱い雫を絞り出して自由になりたいと訴える。
こぽり。
「ふあぁあんん……っ」
甘くはしたない声すら上げ、サラはまた、身体の中に湧きあがる恥ずかしい水の源流を感じ取ってしまう。下腹部のなかに、さらにこぽこぽと琥珀色の水流が湧きあがってきたのだ。すでに限界まで膨らみきった少女の下腹部はそれを受け入れる余裕などあるわけがない。
思わず、スカートの上から、サラは掴んだティーカップを抱え込むようにして、飲み口を股間に押し付けてしまっていた。
(あ、あっ、あっ……、あ…っ!!)
ぐりぐりと、白磁器の硬い感触がスカートの上から脚の付け根を擦り、じわぁ……っ、と熱く疼く乙女の秘所が、今にもぷくりと緩み膨らもうと収縮を繰り返す。
引けた腰の脚の付け根、ちりちりと直火であぶられているようなむず痒さは一段と激しさを増し、まさに激しい水流がカップの底を打ち据える音が響き始めそうだ。
(だ、だ、め…っ、だめ……、なのに……っ)
カップを握り締めたまま、サラは激しく身悶えを繰り返した。
眉をハの字にして唇を噛み、きつく息をつめた切羽詰まった表情で、サラは手の中に握り締めたティーカップと、無人の来賓室の中を見比べる。隅から隅までを贅沢な丁度に彩られた来賓室の中は、たとえ部屋の隅であったとしてもしゃがみ込んで、用を済ませられるような場所など無い。
限界を迎えて粗相をしてしまったが最後、絨毯やソファーに、恥ずかしいおしっこの痕跡はありありと残り、今度こそサラは女学院を追い出されてしまうだろう。
(でもっ、でも……っ……)
堪えに堪えたおトイレの限界は、すぐ傍にまで迫っている。
「は……あ……っ」
何度も何度も葛藤と逡巡を繰り返すサラの、きつく押し殺したような息が、部屋に響く。
長い躊躇ののち、サラは驚異的な集中力で脚の付け根に押し当てていたティーカップを机の上に置き直した。細い指はゆっくりとほそい持ち手から離れ、ついにティーカップは最初にあった元の通り、テーブルに戻る。
「く……、ぅ……はあっ……」
そして。サラはそのまま、すぐ隣――同じ白磁のティーポットへと移っていた。
強烈な罪悪感と共に、サラはすっかり空になったポットの蓋を外すなり、残る茶葉を隣のカップへと開ける。
かすかに湯気をたてるそのティーポットを前に、サラはやおら脚の間をに当てていた手のひらを離し、スカートの端をエプロンと共にたくしあげる。
(だ、だめ、もう駄目……っ)
もはやサラに言葉はなかった。ここがどこであるのかも忘れてしまったように、サラはたくしあげたスカートの端をまとめ、口にくわえた。
はしたなく捲りあげられたスカートの下、露わになったドロワーズを、逡巡と共に腰の下まで引き下ろしてゆく。もじもじと膝を擦り合わせる中腰の姿勢では、たったそれだけの事すら全神経を集中させなければならなかった。
ふとしたことで緩みそうになる排泄孔をしっかりと締め付けながら、どうにか作業を終える。
(こ、このあとで、……大急ぎで片付けて……ちゃ、ちゃんと、しっかり洗って……綺麗に、しますから……っ……、ごめんなさい。ごめんなさい……っ!!)
誰にともなく、祈りをささげながら。サラは両手でティーポットを抱えあげると、ついに露わになった乙女の大切な場所へと近づけてゆく。
そう。サラはこのティーポットの中に、オシッコをすることを決めたのだった。
ティーカップではなくティーポットを選んだ理由は単純。小さなティーカップではサラのおなかのなかでたぷたぷと波打ち揺れるほどのおしっこを注ぎ込むのは、どう考えても不可能だったからだ。
アンと一緒に、馬小屋のバケツでおしっこを済ませた時の記憶が蘇る。あの時だって、わずか二回のおしっこで、バケツはなみなみと溢れんばかりに一杯になってしまったのだから。
(ふあ……っ)
羞恥に頬が染まり、緊張に指先が震え、思わずポットを取り落としそうになる。一度は床に置いてそれを跨ぐことも考えたが、それでは小さな的を外してしまうかもしれない。そうすれば絨毯を汚してしまうことは避けられなった。普段の時ならともかくも、この切羽詰まった状況で慎重に位置を調整しながら、しゃがみ込むのは無理だと考えたのだ。
乙女の排泄はいったん始まった以上、途中でとめることなど叶わない。
あんなにも小さな陶製のカップなど、一瞬でいっぱいになり、そのままあふれ落ちた水流が絨毯を、床を、余すところなく広がって、少女の羞恥で汚し、水浸しにしてしまうことは間違いないのだ。
動揺にもたつく足元と共に、かすかに床がきしむ。
「ぁあ……こんな、こんなのっ……っ」
乙女の潔癖な理性が警鐘を打ち鳴らす。あろうことか歴史あるコーネリア女学院の来賓室で、スカートをたくしあげ、立ったまま乙女の秘所に直接、押し当てたティーポットに小用を済ませようという常軌を逸した行為に、サラの繊細な羞恥心は焼け切れてしまいそうだった。
だがしかし、それでも。
惨めに無残にエプロンを、使用人服を濡らし、足元に盛大な噴水を撒き散らして、来賓室に大惨事をもたらしてしまうよりは。そんな事を言い訳に、サラははしたない姿勢での排泄の準備を進めてゆく。
「ん……っ」
来賓室の中央、整えられた調度の間。使用人服のスカートをたくしあげ、下着を膝下まで下ろし、仁王立ちになって。心持ち前に突き出した腰は、まるで男の子が立ったままオシッコを済ませている時の姿勢にも似ていた。
ほんのりと色づき、膨らんだ脚の付け根。
乙女の大切な場所を守るように、蓋をあけたティーポットが、股間へと押し当てられる、――その瞬間。
ぷしゅしゅるるるぅうっ!!
「はぁあぁ……っ!!」
強烈な感覚が、内腿の付け根を走り抜ける。
彼女の股間、女の子の部分で弾けた琥珀色の液体が、勢いよく音を立てて、ティーポットの中へと注ぎ込まれていた。
(んぁああ……っ)
これまでにも何度か経験のある、限界寸前の我慢からの解放感。そのうち震えるような感覚がぞくぞくと背筋をはい上がり、頭を突き抜けてゆく。
ぶしゅぅうっ、じょぼっ、じょじょぼぼぼぼぼぼぼぼぼお……っ
乙女の身体が温め続けていた羞恥のホットレモンティーは、激しい水流となってポットの底を打ちつける。我慢し続けた女の子の放水は、同年代の少年のものと比べ物になるはずもない。たちまち派手な音を響かせながら、乙女のレモンティーがティーポットの中に激しく波打ち始める。
「はぁあああ……っ……」
サラの唇から、少女のものとは思えない、甘くとろけた吐息が溢れだす。
じょぼじょぼと、剥き出しの股間に押し付けたティーポットの中に、遠慮を知らぬ勢いで恥辱の水流をなお激しく注ぎ込みながら、サラはうっとりと目を細めてしまう。尿意からの解放にくちびるは緩み、頬はとろけて、今にも天へと昇っていきそうな様子だ。
大胆に露わになった白い肌。ドロワーズのゴムが浅く食い込んでいたおなかは、猛烈な勢いのおしっこを絞りだしながら、見る見るうちにしぼんでゆく。下腹部を下品に膨らまさせてしまうほど、サラのオシッコははち切れんばかりに溜まっていたのだ。
しかし。
「え、あ……っ」
折角の至福の瞬間も、長くは続かない。じょぼぼじょぼぼと白く泡立って注ぎ込まれる恥辱のホットレモンティーは、みるみるうちにティーポットの中に溜まり、あっというまにポットを一杯にさせてしまっていた。
「あ、あっあ、や……だ、だめっ……」
考えてみれば、当たり前のことだった。
サラのおなかの中に溜まりに溜まっていた、恥ずかしいレモンティは、たかだかティーカップ2杯半程度の容量しかないポットの中にすべて納まりきる訳がなかったのだ。見る間に一杯になったティーポットが、ずっしりとサラの手の中に圧し掛かる。
まだ、半分も出しきっていないはずなのに――すでにティーポットは八分目まで一杯になってしまっている
(や、だ、だめ、こんな……ぁあ、あっ、止めなきゃ……っ!!)
いまなお激しく噴き出し続ける水流を押さえこもうと、サラは懸命に内腿、“おんなのこ”に力を込める。しかし、一度堰を切った女の子のダムがもう一度それを押さえこむことなど不可能だ。
ぶしゅぶしゅと遠慮ない音を響かせ黄色いおしっこを噴き出す出口を閉じるため、丸出しの股間に、ティーポットを押し当てるという、珍妙ながらも下品極まりないすがたのまま、サラはオシッコをこぼさぬようにと腰を激しく揺すってしまう。
しかし、それは全くの逆効果。サラが身をよじったと同時、いまにも溢れんばかりに注ぎ込まれていたティーポットの中身が、注ぎ口からぴゅうっと飛び出した。
テーブルの上に激しく飛び散った液体が、ぱしゃっと飛沫を跳ねさせる。
「だっ、な、っ、あ、あ、ぁあぁっ……」
慌てて腰を動かせば、今度はさらにに強く、注ぎ口から出来たてのホットレモンティーが流れだした。まるで、男の子のオシッコのように。立ったままの少女のすぐ前、黒樫のテーブルに、その上に置きっぱなしのティーカップに。太く黄色い水流がびちゃびちゃと注がれてゆく。
(い、いやぁああ……!? だ、だめ、だめ。止まって、止まってぇ……っ)
ありったけの力を振り絞っておしっこの出口を締めつけようとするサラだが、余計な身じろぎのせいで、テーブルの上に注がれるポットの中身はむしろ増えるばかり。
さらに、中途半端にオシッコを出したせいで、おなかの中にできた余裕は彼女の中の恥ずかしい液体をより一層増長させてしまっていた。急に出口をふさがれ、まだ溜まったままの乙女のホットレモンティは、サラの女の子の部分をこじあけ、股間に秘められた秘密の花園から外界に飛び出そうと激しく暴れる。
「んあ…っ……はああぁんっ…」
目の前が白くなる。声を上げながら腰を捻るたび、傾いたティーポットからぽたっ、ぽたたっ、と淹れたてのサラ特製ホットレモンティが噴きこぼれる。
なお、押し当てられたティーポットの中には、じゅうぅっ、じゅおおっ、と水流が水面を打ちつけるはしたない水音が響いていた。
「で……っ……でちゃう……っ…」
プライドも何もかなぐりすて、下腹部の衝動に尽き動かされるままにサラに、在りし日のダイヤモンド・プリンセスの面影は無い。
ぶるぶると腰を震わせたサラの女の子の部分から、激しく羞恥の水流がらほとばしり、ティーポットにじょぼぼぼっと野太い排泄音を響かせる。
先程までの排泄とは液体の量も、規模も、軌道も違っていた。
女の子の部分から滝のようにあふれ出した液体は、押し当てられたティーポットの中。丸い水面に思い切りぶつかって、跳ね返った雫をそこらじゅうに飛び散らせる。
勢いのいい液体どうしがぶつかる音はとどまる事を知らなかった。
サラが股間に押しあてたティーポットを満たす、公女特製のホットレモンティ。わずかに湯気をってるそれは、注ぎ口から勢いよくテーブルの上のティーカップへと注がれて、さらにそこからも溢れ、まるで芸術的な噴水のように、テーブルの上に広がってゆく。
「ああ……っ……だめぇ……っ……んあああああっ!!!!」
あまりにもはしたない、水芸を、歴史あるコーネリア女学院の一室で存分に披露しながら。サラの悲痛な叫びは、いつまでも来賓室の中に響き続けていた。
(初出:書き下ろし)