そしてまた、数名の少女達はバスを降りはしたものの、もはやサービスエリアのトイレまで向かい気力もなく、駐車場で力尽き、そのまましゃがみこんで、泣きながら足元のアスファルトに恥ずかしい水たまりを広げていった。
智代のオシッコは、バスが停車する以前から既に半漏れ状態であった。智代の下腹部の小さな器に納まりきらないオシッコは、もう両手両足の指で数えきれないくらいのおチビリを繰り返している。その上で、何度じゅうじゅうと下着に熱い雫を噴き出させてしまっても、下腹部の乙女のティーポットには次々と新鮮なオシッコが注ぎ込まれ、膀胱はまったく縮まる様子もないまま、激しい尿意を訴え続けているのだ。
智代は目に涙を浮かべながら必死にトイレへ走った。何度も何度もおチビリをしてしまい、既に下半身はオモラシとまったく変わらない状況だ。事実、これまでの間に智代がチビった恥ずかしい熱水の総量は、智代の膀胱の限界貯水量をはるかに超えている。
既に一回、たっぷりとオモラシをして、限界まで我慢したトイレ1回分のオシッコで制服と下着を汚してしまったのに等しいのである。
股間にじゅじゅうと温もりを感じながら、オシッコが足を伝っていくのが感じられる。智代の走った後には、おしっこの染みが点々と残されていた。
「あっ、あっ、あっ!!も、もうだめ、なのっ、っ!!!」
地面に恥ずかしいオモラシの痕跡を点々と残しながら――智代は懸命に前へ進もうとする。
繰り返されるおチビりが脚を伝い、握り締めたスカートの布地をぐっしょりと濡らして、ソックスに染み込んでは地面に飛び散る。下着の股布からは直接ぱちゃぱちゃと雫が噴き出し、再びおチビりではすまされない大量のオシッコが溢れだしていた。
(や、やだぁ……だめっ、だめなの、だめなのに……ぁあぁあ……、お、オシッコ、まだいっぱい、でる……っ)
興奮と緊張で下腹部がはりつめ、じゅじゅじゅうぅ、ぶじゅじゅうっ、と連続してみっともなくも激しいオシッコの噴射音。もはやおチビりなんて可愛らしいものではないのだが――いくらチビっても、一向に智代のおなかは楽にならない。
(、やだ……ぁ……もぉ、やだ……、なんで、こんなに、オシッコ……でちゃう、の……?)
ぐず、と啜りあげる鼻声と共に、智代の頬を涙が伝う。全身の水分をあちこちから絞り出しながら、それでも智代のおチビりは停まらない。あるいはこのままずっと、百回を超え二百回を数えるのかもしれない。
――二百回も、おチビり。
ありえない回数だが、今のペースで行われれば絶対にないとは言い切れない。小さな膀胱を抱え、猛烈な水圧を押さえ込むため酷使され続けた排泄器官はじんじんと疼き、オシッコの出口はすっかり赤くなるほどに擦り切れてしまっている。
繰り返される噴出が、下着に染みてゆく熱い感触を広げ、ぐっしょりと湿ってもう保水力の限界に達した制服をまた新しく潤わせる。
他の少女達が精々、数度味わえばよいオモラシの恥辱を、智代はその何倍も何十倍も受けなければならないのだ。
(わ、わたしの、あそこ、壊れちゃった、よぉ…っ)
いくら利尿作用の強い紅茶を飲んだとはいえ、智代は公園を出発する前にトイレに行っているのだ。それなのに、それなのに、こんなに何度も、なんども。
――智代の下半身は壊れた様にオシッコを漏らし続ける。智代の心が擦り切れるのと、どちらが早いのだろうか。
智代の斜め後ろ、バスの車体のすぐ真横で、小百合は一歩も動けなくなっていた。
「はっ…、は、…ッ、ふぅっ…」
しゃがみ込んでしまってはいない。まだ、小百合はトイレに向かう事を諦めてはいない。
けれど他の少女達との差異はそれくらいのもので、他はほとんど似たような有様だ。懸命に息を詰めながら、一時も休まずにその場で足踏みを繰り返し、太腿を擦り合わせる。
小百合の我慢はやや特徴的で、他の前屈みになっている少女とは異なり、背中を反らし、薄い胸を突き出すようにして両手を背中から回し、おしりの方から脚の付け根に押さえていた。この体勢でぴょんぴょんと跳びはねるのが、小百合の標準的なオシッコ我慢のお作法なのである。
しかしいまや小百合のぱんぱんの膀胱は跳びはねるどころか歩くだけでも破裂しそうで、もはやいつも通りの我慢ダンスで尿意の波を和らげることもできない。浅く開いた腿の付け根に両手を重ねるように押さえ当て、手のひらで覆うようにしてぎゅっと女の子の恥ずかしい場所を握り締める体勢のまま、ガクガク膝を震わせる。
目には涙を浮かべ、頬を赤くし歯を食いしばって、小百合は全身を使って猛烈な尿意に耐え続ける。
しかし――バスを降りてからはや十五分、小百合はいまだに、一歩も先に進めていない。
涙に滲む小百合の視線が遥か先、サービスエリアの駐車場の彼方にある公衆トイレを見つめる。
(ダメ…も、もう、動けないっ…出ちゃう…っ)
きつく押さえつけたスカートの奥、下着の股布にはじゅじゅっ、じゅうっと熱い雫が滲み、太腿に挟まれたスカートの色を変え始めてゆく。
まるで、地面にこぼさなければオモラシではないと主張するかのように。小百合は自分の手のひらで作った入れ物に、オシッコを受け止めてしまう。小さく白い手のひらはみるみる、下着でろ過された黄色い水流で満たされ一杯になってゆく。
女の子の大切な場所にあてがった手のひらに、おチビりの熱い水流を受け止めながら、小百合はぶるると肩を震わせた。
「んぁッ、……ぁ、あぅ、ぅうっ……」
バスの周囲に人垣を作り、小百合達を遠巻きに眺めている他の人々の視線の中、こみ上げる尿意を押さえ込む事ができないまま、くねくね、もじもじ、前に突き出した腰をくねらせおしりを揺らしてしまう。
悔しさと羞恥に、耳の先まで紅くなるのがわかった。
何度も、何度も。渋滞の間も、バスが路肩に止まっている時も、根を上げそうになる乙女のダムを必死に押さえ込み、くじけそうになる心を奮い立たせて、折角ここまで我慢したのに。
最後の最後に立ちはだかる、トイレまでのあと300mの距離が、絶望的なまでに遠い。
じゅ、じゅぅうっ、じゅじゅじゅッ
下着の股布を貫通して噴き出すオシッコが、押さえ当てた手のひらの奥に激しく吹き付け、手のひらの器から溢れ出す。仰け反る体勢の我慢と合わせて、手の中にオシッコをしているのを周りに見せつけているような格好である。
「はぁあ……ぅ、ぁ……ぁんっ……」
スカートの奥にじわじわと広がってゆく熱い滲みは、いよいよ拡がり、さらに広がった水門からぶしゅうううと凄まじい水圧が手のひらに叩きつけられる。
小百合はおなかの中が空っぽになるまで。脚の間の手のひらの器に、オシッコを出し続けるのだった。
社会見学バスの話・72 戸塚智代その2/木場小百合
