小説 トリシア様のお粗相について いまよりも、少し昔の事でございます。 その頃、アトラテアのシャルナーズ方伯のご令嬢トリシアさまと言えば、幼いながらその類稀な美貌と、それ以上に生来の気の強さ――たとえお父様であるシャルナーズ伯が相手とあっても、己が正しいと思えば物怖じせずそ... 2017.01.03 小説
小説 中央分離帯取り残されのお話。 久々の投稿。 照り付ける真夏の太陽は、ビルの反射と相まって路肩に影狼を立ち昇らせていた。大通りを走る車は、32度の気温よりも高温の熱気を吐き出して、歩道の街路樹を萎びさせる。「はぁ、はぁッ、はぁ……ッ……!」 荒い吐息に赤く染まる頬、上下す... 2016.06.25 小説
小説 一日中我慢をする羽目になった女の子の話。 しーむす! 11で頒布した「不幸な偶然で一日中ずっとおしっこ我慢をする羽目になってしまった女の子の話」より。 もともとこのあと続く予定だったのをページの都合でカットしてしまったので、あと半日くらい我慢は続く予定。「お姉ちゃんっ、いつまで入っ... 2015.08.03 小説
小説 満員電車(略)の話。 しーむす11で頒布した「事故で停車した満員電車の中でオシッコが我慢できなくなってしまった女の子とその友人の話」の再録です。 ▼ 藤倉葉子。眉目秀麗、容姿端麗。才色兼備。そんな四字熟語が並ぶ私の親友。 葉子なんて古風な名前の通り、イマドキ珍し... 2015.06.03 小説
小説 男子トイレ内の姉弟の話。 (ああっ……いや……だめ、っ……。はあぁ、はあっ、…あぁ……だめ、こんなの、こんなのっ、やだぁ……っ! わ、わたしも、わたしもっ、オシッコしたいのに……っ) 焦がれ、求め続けた待望の『おトイレ』を前に、優奈の下半身は敏感に反応してしまう。手... 2015.05.03 小説
小説 授業中の我慢 基本タイプの我慢の習作。 もう何度も似たような話やってきた気はするけども。 4時間目の授業は続いていた。(……おトイレ、行っとけばよかった……) 教室窓際の後ろから三番目。退屈な授業からこっそり逃れ、居眠りをするのに最適な席で、樫野瑠璃は張... 2013.06.14 小説
小説 姉イジメの話。 明日開催のしーむす8に参加しようと思って用意した話。 もろもろの事情で申込みできなくなったのでこちらに。「ま、待って……お願い、待って、茜…っ」 おぼつかない足元、ほんのりと赤くなった頬。 荒くなった息に交えながら、途切れ途切れに少女が切な... 2013.06.01 小説
小説 dans la prairie 05 家から交差点の横断歩道をみっつと、歩道橋をひとつ。 背の高い塀とそこから伸びた高い木の梢に囲まれたT字路は、見通しが悪い割にカーブミラーもなく、向こうから誰かがやってきてもすぐには気付けない。交通量があまりないことから放置されているが、色褪... 2013.04.19 小説
小説 dans la prairie 04 さっそく主題を取り違えてる気がしないではない。「あった……!」 広い公園の片隅に目的の建物を見つけ、観冬はぱあっと顔をほころばせる。スキップ混じりの小走りで向かう『そこ』は、素っ気ない灰色のコンクリート剥き出しで、面白い事など何もないですよ... 2013.04.19 小説
小説 dans la prairie 03 雨の続く6月。今日もまた昨日と同じような雨が続き、代わり映えのないネズミ色の空がビルの谷間を覆う。 織江は傘の柄を握る手に力を込めながら、雨の通学路を早足で歩いていた。 靴底が水たまりを跳ね散らかし、防水の十分ではない足元にはいくつも飛沫が... 2013.04.19 小説