長編連載

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社会見学バスの話・20 2年A組バス緊急停車

「ですから、もう本当に、この子、オシッコが出ちゃうって言ってるんです!! もう我慢できないんですよ!? それなのに……!!」「……わかったよ。…本当はこんなことしちゃいけないんだが……仕方ないね」 蓉子の猛抗議に、ついに運転手が折れたのはそ...
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社会見学バスの話・19 蓉子の思惑

天啓のように舞い降りた素晴らしい“迷案”に、蓉子は矢も盾もたまらず、席を立っていた。「ねえ井澤さんっ、ちょっと待っててくれるかしら? 大丈夫、すぐに先生が何とかしてあげるから!」「え、あ、はい……」 いきなり顔を輝かせて満面の笑顔を見せる『...
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社会見学バスの話・18 恥ずかしい告白

(あぁーんっ、まだ? まだ着かないの? オシッコ、オシッコしたいよぉ……っ!!)「あ、あのっ、清水先生っ……」「へ?」 座席シートの上で忙しなく腰を揺すっていた蓉子は、名前と共に袖を引かれてはたと我に返った。慌てて振り向けば、そこには顔を青...
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社会見学バスの話・17 佳奈の決意

今日から第2部。「んぁ……っ」「はぁ……、はぁ……、だめ、えぇ……っ」  初夏の日陽射しを受け、熱されたアスファルトがじりじりと車体を焦がす。空調が唸りを上げ、送風口からの風を強めていた。奇妙な沈黙の落ちた車内には座席シートを軋ませる身じろ...
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社会見学バスの話・16 清水蓉子その4

永劫にも思える時間――けれど、それは実際には、ほんの十数秒ほどのものでしかなかった。 ぴったりと閉じ合わせたスカートの股間にみるみる広がる熱い感触。ぷくりと膨らんだ排泄孔がびくびくと痙攣する。「っ、は、はぁ、っ、はあっ……」 下着の股布をた...
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社会見学バスの話・15 清水蓉子その3

(あーーんっ……だ、っだめっ、ああっあッ!! ぉ、おしっこ、おしっこ出ちゃううぅ、おしっこ、おしっこしたいいぃっ!!) 我も忘れて叫び出したくなるのを堪え、蓉子は居ても立っても居られない。 ついに蓉子は運転席の傍へと歩み寄った。「あ、あのお...
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社会見学バスの話・14 佐野真彩その3

どれくらいの時間が過ぎただろう。20分、30分、或いは1時間。それともたった5分。窓の外の光景は変わり映えなく、渋滞の行列だ。初夏の太陽は夕方だというのに暮れる気配はまだまだなく、陽射しはなお強い。 時間の感覚すら曖昧となる緩慢な時間の中、...
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社会見学バスの話・13 雪村乃絵&日向羽衣

「羽衣ちゃん……だいじょうぶ?」「っ……」 そっと声を潜めて聞いてくる羽衣に、乃絵は答えずぶんぶんと強く首を振った。答える余裕なんかないほどに切羽詰まっているのは本当だったが、それ以上にこちらを案じてくる乃絵が鬱陶しくてたまらなかったのだ。...
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社会見学バスの話・12 清水蓉子その2

(あーんっ、もう、早く動いて……!! ……渋滞なんて聞いてないわよぉ!!) 蓉子はもう何度目になるのか分からない、声にならない叫びを上げる。 公園を出て高速道路に入った時点で、蓉子の膀胱に溜まったオシッコは危険水位を突破しており、既に尿意は...
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社会見学バスの話・11 佐野真彩その2

今度、真彩の前で新たな動きを見せたのは、大きなトラックだった。 荷台には重そうな材木をたくさん積み上げて、どこかに運んでいる途中なのだろう。バスの車体とそう変わらないトラックが、わずかに空いた車間から強引にハンドルを切るようにして車線に割り...